10月の行事と歴史から見えてくる秋の暮らしと衣替え

こんにちは、千葉市若葉区・中央区・花見川区・美浜区で営業する「クリーニングオーシャン」は、衣類や靴・かばんのクリーニング&リフォーム専門店です。1964年創業、しみ抜きやお直し、リペアも対応し、「汚れは落としても思い出は洗い流さない」仕上がりをお届けします。ビジネスウェアから皮革・着物・ジュータンなど特殊品、業務用クリーニング、他社様からのご依頼も承っています。
10月と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。衣替え、スポーツの日、十三夜、ハロウィン。そして昔の呼び名では「神無月」。こうして並べてみると、10月にはずいぶんたくさんの行事があります。私たちは毎年当たり前のようにそれらを迎えていますが、「なぜ10月1日に衣替えをするのか」「なぜ秋にスポーツの日があるのか」「十五夜があるのに、なぜ十三夜にも月を見るのか」と考えてみると、意外に知らないことも多いものです。行事というものは、ただカレンダーに書かれた予定ではありません。その由来を知ると、その季節を暮らしてきた人々の考え方まで見えてきます。今回は10月の行事とその歴史をたどりながら、秋という季節について少し考えてみましょう。
神無月と衣替えに残っている日本人の季節感
10月の和風月名は「神無月(かんなづき)」です。有名なのは「10月になると全国の神様が出雲へ集まるため、ほかの地域では神様がいなくなって神無月、出雲では神様が集まるので神在月と呼ばれる」という話です。ただし、これは神無月について伝えられてきた説の一つです。「無」は「ない」という意味ではなく「の」にあたる言葉で、「神の月」という意味だったとする説などもあり、その語源については諸説あります。旧暦の10月は現在の暦ではおおむね晩秋から初冬。農作物の収穫を終え、冬を迎える準備を始める季節でした。今より自然と暮らしの距離が近かった時代には、季節が変わることは生活そのものが変わることでもあったのでしょう。
そして10月1日といえば「衣替え」です。その歴史は古く、平安時代の宮中行事にまでさかのぼるとされています。季節に合わせて装束を替える習慣があり、当時は「更衣」と呼ばれていました。江戸時代になると季節によって着る衣服を替える習慣がより細かく定められ、明治時代に洋装が広まると、夏服と冬服を切り替える現在に近い衣替えへと変化していきました。今では10月になっても暑い日があり、10月1日に一斉に冬服へ替えるという暮らしではなくなっています。それでも10月になると「そろそろ秋冬物を出そう」と思う人は多いでしょう。考えてみれば、何百年も形を変えながら続いてきた習慣が、今も私たちのクローゼットの中に残っているわけです。衣替えとは単なる服の入れ替えではなく、「季節が変わりましたよ」と暮らしを切り替えるための合図だったのかもしれません。
スポーツの日と十三夜に見る二つの秋の楽しみ方
10月の第2月曜日は「スポーツの日」です。以前は「体育の日」と呼ばれていました。そのきっかけとなったのが1964年の東京オリンピックです。開会式が行われた10月10日にちなみ、1966年に「体育の日」が国民の祝日として設けられました。その後、2000年からハッピーマンデー制度によって10月の第2月曜日となり、2020年には名称が「スポーツの日」へ変更されました。「スポーツの秋」という言葉があるように、暑さが落ち着き、体を動かしやすくなる10月は、運動会やスポーツ大会などにも親しまれてきた季節です。
一方、同じ10月でも、まったく違った秋の楽しみ方があります。それが「十三夜」です。2026年の十三夜は10月23日。旧暦9月13日の夜に月を眺める行事で、十五夜の後にやってくることから「後の月」とも呼ばれます。十五夜が中国から伝わった風習をもとにしているのに対して、十三夜は日本独自の月見として発展したとされています。この時期に収穫される栗や豆を供えることから「栗名月」「豆名月」とも呼ばれ、十五夜を見たのに十三夜を見ないことを「片見月」と呼んで縁起がよくないとする風習まで伝えられてきました。興味深いのは、十三夜の月は満月ではないことです。少し欠けた月を眺め、そこにも美しさを感じる。スポーツの日には体を動かし、十三夜には静かに月を眺める。同じ秋でも楽しみ方はまったく違います。それでも共通しているのは、「今、この季節だからできること」を楽しんでいることです。季節を楽しむとは、特別な場所へ出掛けることだけではないのでしょう。空を見たり、風を感じたり、体を動かしたりすることも、昔から続く秋の楽しみ方なのです。
ハロウィンの歴史を知ると見えてくる季節の境目
10月31日は「ハロウィン」です。現在では仮装をしたり、お菓子を楽しんだり、かぼちゃを飾ったりするイベントとして日本でもすっかりおなじみになりました。その背景には、古代ケルト文化の「サウィン」と呼ばれる祭りとの関係があるとされています。古代ケルトでは秋の終わりから冬の始まりへ移る時期を大きな節目としていました。その後、長い年月の中でさまざまな地域の風習やキリスト教文化などの影響を受けながら、現在知られているハロウィンへと変化していったと考えられています。仮装や「Trick or Treat」、ジャック・オー・ランタンなども、最初から現在の形だったわけではなく、さまざまな風習が重なりながら形づくられてきました。
日本でも1970年代ごろからハロウィンに関連した催しなどが見られるようになり、その後、テーマパークや商業施設、菓子や雑貨などを通じて広く知られるようになりました。今では秋を代表するイベントの一つですが、ここで少し面白いことに気づきます。神無月、衣替え、十三夜、ハロウィン。それぞれ生まれた場所も時代も意味も違います。それなのに、そこには「季節の変わり目」という共通点があります。人は昔から季節が変わる瞬間をただ通り過ぎるのではなく、名前をつけ、行事をつくり、楽しんできたのでしょう。今ならスマートフォンを見れば明日の気温まで分かりますが、昔の人は月を眺め、収穫物を見て、風の冷たさを感じ、着るものを替えることで季節の変化を知りました。10月のさまざまな行事は、そんな「季節を感じるための知恵」の名残ともいえるのかもしれません。
10月の衣替えは「出す服」より「しまう服」から
ここまで10月の行事と歴史を見てきましたが、クリーニング店として最後にお伝えしたいのが「衣替えの考え方」です。衣替えというと、多くの方は「そろそろコートを出そう」「ニットを出そう」と、これから着る服のことを考えます。でも、本当に最初に考えてほしいのは、これまで着ていた服をどうするかです。夏に活躍したシャツ、ブラウス、ワンピース、パンツ、スカート、サマージャケットなどには、見た目では分かりにくい汗や皮脂などが残っていることがあります。そのときはきれいに見えても、長く収納している間に黄ばみや変色、ニオイなどが気になることがあります。だからこそ、来年また気持ちよく着るための「しまい洗い」が大切になります。
もちろん、これから着る秋冬服の確認も忘れてはいけません。ジャケット、ニット、カーディガン、コート、ダウンウェア、マフラーなどを出したら、シミやニオイ、カビ、虫害、ボタン、ほつれなどを確認してみてください。本格的に寒くなって「明日着たい」と思ってからではなく、まだ少し余裕のある10月に確認しておけば安心です。また、スポーツの日をきっかけにジャージやユニフォーム、スポーツウェア、ウインドブレーカーなどのお手入れを考えたり、ハロウィンが終わったら仮装衣装の洗濯表示や素材、装飾を確認したりするのも、この季節ならではのお手入れです。家庭で洗えるものは家庭で洗い、扱い方に迷うもの、大切にしたいもの、家庭ではお手入れしにくいものはクリーニング店へ相談する。クリーニングに出すことそのものが目的ではなく、次にその服を着るときに「今年も気持ちよく着られる」と思える状態にしておくことが大切なのです。
10月1日の衣替え、スポーツの日、十三夜、そして10月31日のハロウィン。こうして10月の行事をたどってみると、10月は夏から冬へ向かう途中にある「暮らしを整える月」なのかもしれません。夏服には「今年もありがとう」。秋冬服には「今年もよろしく」。そう思いながらクローゼットを開いてみると、毎年なんとなく行っていた衣替えも少し違って見えてきます。季節が変わるから服を替える。そして服を替えるから、一度きれいにして整える。昔から続いてきた衣替えには、今の暮らしにも通じる、そんなシンプルな知恵が残っているのではないでしょうか。
クリーニングオーシャンとは
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